~これでも仕事用です~

さよならブルーナ!

先日、我が敬愛するディック・ブルーナが逝去されました。 追悼の意味で何か書こう、と思ったのですが、正直何を書いていいのかわからない。何しろワタシがブルーナを「グラフィックデザイナー」として意識したのが25年も前です。その間、ワタシの究極の目標…

1961年の小学一年生

2006年、ワタシがグミちゃんという作品に本格的に携わるようになって、まず始めたことは資料集めでした。 まずは以前書いた通り、時代設定をはっきりと1961年、という具合に定めたのですが、次にやることといえば、もちろん1961年の資料を徹底的に「洗う」こ…

ヨコハマ昭和旅

今回はちょっと変わったことを。 長らく神奈川県に在住していながら、そしてそういった情報をかなり前から知っていながら、スルーし続けた場所があります。 それはJR鶴見線の国道駅です。 とにかく「昭和の頃の高架下の雰囲気が残っている」と評判で、実際行…

笠置シズ子・レコーディング曲傑作選

ずっと、ちゃんと笠置シズ子の楽曲について書かなきゃとは思っていたんです。でも当ブログで取り上げるには問題が多すぎるわけで。 以前書いた通り、笠置シズ子は戦前期から圧倒的なパフォーマンスを(大都市部の人だけとはいえ)知らしめていたのですが、戦…

続・おとうさん!

昨日書いた「おとうさん!」の続きです。 カズミ・アカオの父君であるトミオさんとグミちゃんのお父さんの経歴で完全に同じなのは「気象庁に勤務していた」という箇所です。 勤務地は出身の福井県小浜市から近い福井県敦賀市の気象観測所。電車で1時間ほどの…

おとうさん!

今回はグミちゃんのお父さんのことを書いてみたいと思います。 ということはカズミ・アカオの父君のことを語ることになるわけですが。 まずは以前書いた、グミちゃんのお父さん、青田富夫のことを引用しておきます。 本名 青田富夫。1921年1月19日生まれ。19…

年賀2017年

あけましておめでとうございます。今年もGumi-chan1961、並びに当ブログGoodlucklight!をよろしくお願いします。 昨年中はワタシが体調不良になったことにより、12月以降はまったく更新できませんでした。 不慮のこととはいえ、こういうことになったのはワ…

申し訳なくも、今年最後のエントリ

ご無沙汰しております。という挨拶から始めなきゃいけないくらい、更新間隔が空いてしまいました。 年末に向けて、いろいろ企画を予定していたのですが、すべてパー。というのもですね。 Facebookで軽く書きましたが、12月に入った頃から体調不良に悩まされ…

モダニズム映画鑑賞記5「さくら音頭」

うーん、これを「モダニズム映画」として扱っていいものやら。わずかにダンスホールのシーンにモダニズムっぽさはありますが、全体としては「プロレタリア・メロドラマ」といった内容なのです。 とにかく今回は、P.C.L.映画第五作目の「さくら音頭」(1934年…

商店街に行こう!

今回は商店街の話ですが、果たして「作品」や「ロンドン」の話をすることになってる日曜更新分に合致するのか?といえば微妙なんだけど、他に相応しい曜日もないんでね。 商店街の魅力、それは「人の波」です。しかし、いわゆる繁華街の人の波とは違う、子供…

聖地トキワ荘 後編

前編はココ。大江戸線落合南長崎駅。大江戸線なんてトキワ荘に伝説の漫画家たちが住んでた頃にはなかった路線です。だから当然この駅もなかった。 しかしこの際、その辺はどうでもいい。とにかくワタシは新宿から大江戸線に乗って、トキワ荘跡地のそばまで来…

ダンスありき

日本で最初のジャズソングのレコードは、二村定一が歌った「アラビアの唄/あほぞら(「私の青空」)」だったと言われています。 しかしジャズソングに限らなければ、レコードの登場は意外と早く、日本では明治時代にはすでに発売されていたのです。 正直、…

サンキュー・ティム

もし、この世にこの人が存在しなければ今の自分はない(無論ポジティブな方面で)、という人は、誰しもひとりは必ずいると思います。 そんなに頻繁に会うわけではない、だけれども、人生において欠かせない人・・・、もしかしたらワタシたちにとってそれがテ…

聖地トキワ荘 前編

Gumi-chan1961の舞台である1961年は、昭和後期を支えていく人たちが巣立った年でもありました。 具体的にいえば、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、両藤子不二雄といった各漫画家の先生が、彼らが青春期を過ごしたトキワ荘から退居したのが、この1961年なのです。 …

エノケン映画挿入曲傑作選2

「エノケン映画挿入曲傑作選1」の続きです。 ☆『エノケンの千万長者』 ・「千万長者の唄」 正篇続篇のオープニングで歌われるこの歌、原曲はもちろん「洒落男」です。 もともと二村定一の持ち歌であったにもかかわらず、何故か完全にエノケンの持ち歌扱いに…

グミちゃんin福岡

これまで何度か個展のことを書いてきましたが、今回は個人的にちょっと悔いの残る個展の話を書きます。 2006年10月、大阪の朝日新聞本社内アサコムホールにて、カズミ・アカオ初の本格個展「上を向いて歩こ♪」を開催したのですが、ほとんど時間を置かず次の…

東京タワーは「何処」的?

今年の5月にイギリス人アーティストの友人が日本に遊びにきてね、空港からホテルまでクルマで送ったのですが、途中東京タワーが見えて。 「あれは何のための塔だ?」と聞かれて、とっさに答えることができなかった。「放送」の英単語が出てこなかったんです…

紀元2600年の三つの幻

「ねえ、研究所って、どんなとこなの?大きいんでしょ?」 「本館のほうは広いけど、いまぼくのいるテレビジョン研究室は木造二階建てだ。もうじき増築することになっているけどね。二階に部長室があって、ぼくのいる受像管試験室は、そのとなりのとなりだ。…

アーセナルなのは必然

イギリスのスポーツといえば、何といってもフットボール、日本流にいえばサッカーです。せっかくサッカー大国に行くんだから、半年間のロンドン滞在を機にプレミアリーグにハマってみるのも悪くない、とは来英前から考えていたんです。 でもあいにく、ワタシ…

1960B&A映画鑑賞記1「大学のお姐ちゃん」

さ、それでは1960年前後の映画について書くこのカテゴリ、悩んだ末に第一回目に選んだのは、当ブログにて何度か名前を出している「大学のお姐ちゃん」(1959年・東宝)でいってみたいと思います。 まずは主演の三人、通称「お姐ちゃんトリオ」についてから始…

モダニズム映画鑑賞記4「踊り子日記」

4回目となりました「モダニズム映画鑑賞記」、今回はP.C.L.映画第四作目になる「踊り子日記」(1934年)の話です。 いやぁ、ひと言でいえば、相当かったるい作品でした。 それまでの三本(「音楽喜劇 ほろよひ人生」、「純情の都」、「只野凡児・人生勉強」…

イギリスのミニチュア事情

今年の夏でしたか、松屋銀座でおこなわれた「ひつじのショーン展」を見に行ったことがあります。 これは実に素晴らしかった。ミニチュアやクレイドールアニメーションに興味がある人はもちろん、小さな子供でも楽しめるように工夫されているのが何より良かっ…

1960B&A映画鑑賞記・プロローグ

「エノケン映画鑑賞記」から「モダニズム映画鑑賞記」まで、このブログに結構映画について書いてきました。 しかし「戦前の」「邦画」に限ってきました。ま、そっちの方が独自性はでるかなと。この辺の映画についてあんまり書いている人がいないから。 これ…

真「夏」の夜の「夢」

何か思わせぶりなタイトルですが、シェイクスピアは一切関係ありません。ついでにユーミンも。 ま、更新している曜日が曜日なので、だいたい戦前モダニズムだな、とおわかりでしょうが。 かつて「新青年」という、実に軽薄で実にモダンな雑誌がありました。…

アカオ家だからグミちゃんが作れる

昨年末、ワタシの母方の家族の歴史について「ヨシミツ家の人々」というタイトルで連作したことがありました。 これを読んだカズミ・アカオから「是非『アカオ家の人々』も書いて欲しい」と要求されましたが、ワタシは即座に断った。 だって「アカオ家の人々…

猛然のゲンイチ

以前「絶妙のイマタケ」というエントリで、戦前から戦後にまたがって活躍した今竹七郎というグラフィックデザイナーのことを書いたことがあります。 今竹七郎のデザインは、戦前戦中期の大大阪でのデザインが如何に優れていたのかを証明する素晴らしいものな…

モダニズム映画鑑賞記3「只野凡児・人生勉強」

今回は藤原釜足主演の、P.C.L.映画第三作目になる「只野凡児・人生勉強」(1934年)の話です。 この作品も以前紹介した「江戸ッ子健ちゃん」同様、漫画の実写映画化の初期の例ですが、原作は麻生豊。といっても、さすがに知る人は少ないはずです。 麻生豊の…

看板は時代の鏡

今回はこのブログの根本的な疑問にお答えしようと思います。 我々の作品「Gumi-chan1961」は1961年を舞台にしています。なのに何故ワタシが1961年から20年以上も前の戦前期に拘るのか。 答えは3つあります。ひとつは以前書かせていただいた通り、戦前モダニ…

ミゼット!ミゼット!(ダイハツの)ミゼット!!

Gumi-chan1961は既存の<よくある>1960年代的光景を否定するところから始まりました。 そうしないと差別化できないからで、リアリティを獲得するために徹底的に調査し、ディテールにこだわったのです。 わかりやすい例でいえば紙芝居。 1961年といえばすで…

エノケン映画挿入曲傑作選1

何度もいうように、エノケン映画の魅力はエノケン他が歌い踊るシーンですから、本当はエノケン映画を語りたければ筋立て云々よりレビュウシーンを中心に書いた方が伝わると思うのです。 そこで、さすがに全曲は大変なので抜粋ではありますが、レビュウシーン…

粘土の話

これまで何度か書いたように、2006年のグミちゃんのデザイン変更は大きな起点になりました。 これまでデザインそのもの、そして塗料にかんして書いたのですが、今回は「粘土」にかんして書いていきます。 その前に。「趣味で人形を作ってみよう」となったら…

1961年の世の中 from 1960年代日記

前回の「1936年の世の中 from ロッパ日記」の1961年版です。 著名人の書いた日記(=出版されているもの)から、当時の世相を見ていこうという趣旨なのですが、1961年版もやろうとは思っていたんです。 でもサンプルっつーか、良い日記がなかなか見つからな…

1936年の世の中 from ロッパ日記

当ブログは戦前モダニズムのことをあーだこーだと書かせてもらっているのですが、そもそも当時の空気を伝えることなど不可能です。ましてやワタシなぞが生まれる30年以上も前なんだから、ぶっちゃけワタシ自身な〜んにも知らないわけです。 ま、そこは割り切…

グミちゃんin藤沢

今まで何度か個展らしきことをさせていただきましたが、実はたった一度、ほとんど告知をせずに行った個展があります。 2007年、カズミ・アカオは長年住み慣れた関西から、人生初の関東地方に移住する決心をします。 とはいえ初めての関東です。どこに住めば…

ひつじ!ひつじ!ひつじ!

ワタシは「ステマ」って言葉が嫌いでね。というか、まァ、ネットに限った話でしょうが、何でもかんでもステマステマいいすぎでしょ。あからさまに宣伝と謳ったものまでステマ扱いだし。 そのうちコマーシャルまでステマといわれかねん勢いですな、まったくこ…

服部良一という音神様

以前こちらのエントリでも触れましたが、今回は全面的に服部良一のことを書いてみたいと思います。 「服部良一は、戦前の方が面白いんですよ」 これはジャズ評論家の瀬川昌久氏から直接お聞きした言葉ですが、正に我が意を得たりで、もう、心の底から「そう…

1937年のセンテンツスプリング?

こないだ古本屋で、実に奇妙な本を見つけました。 奥付には2007年とあるから、今から9年ほど前に発行されてたってことになるけど、ぜんぜんこんな本の存在なんて知らなかった。 その本のタイトルは「昭和十二年の「週刊文春」」。 え?これの何が奇妙なんだ…

モダニズム映画鑑賞記2「純情の都」

今回はP.C.L.映画の第二作になる「純情の都」(1933年)です 前回取り上げたP.C.L.映画第一作目の「音楽喜劇 ほろよひ人生」と同じく木村荘十二演出で、実質主演は大川平八郎と千葉早智子。「ほろよひ人生」で実質主演だった藤原釜足こそワキに回ってるとは…

星、ふたつ、でっすっ!

何かもうちょっとマシなエントリタイトルはなかったのかって感じですが。 以前、2006年を境にグミちゃんのデザインを大幅に変更をした、というようなことを書きました。 デザインが変わるということは人形の作り方も変わったわけで、粘土も変わったし、表面…

1961年のエンゼルマーク

Gumi-chan1961の主人公であるグミちゃんは6歳の女の子ですが、これくらいの歳の子が興味を示すものは、今も昔も変わらない。 ・おもちゃ ・お菓子 ・子供向け映像コンテンツ 映像コンテンツ、なんてややこしい言葉を使ったのは、大昔なら映画、今ならYouTube…

蒲田から大船へ

もうほんの一時期だけですが、大船に「鎌倉シネマワールド」というテーマパークがありました。 ワタシも一度くらい行ってみよう、と考えてたら、あっという間に閉園になった。資料によると、わずか3年余だったらしい。 後で聞くところによると、このテーマパ…

今年100エントリ目!

別にたいした節目でもないのですが、たまにはこうやって雑談めいたエントリも書いていかないと、週3回更新はキツいんですよ。 そこらへんは大目に見てちょーだいな。 んで、何を書くかというと、作品の展示にかんしての話でもと思いましてね。 本当によく言…

懐かしい、を懐かしむ4

2016年から「1980年代のレトロブーム」を見る、というひん曲がったこのシリーズ、とりあえず今回で終わり。まだまだネタはあるので、気が向いたら続きを書きます。 一応中締めみたいな感じなので、ちょっと堅苦しい文章になってますがご容赦を。 これまでも…

モダニズム映画鑑賞記1「音楽喜劇ほろよひ人生」

まずはこれから始めないとしょうがないでしょう、ということで、記念すべき「モダニズム映画鑑賞記」の第一回目は、P.C.L.映画(のちの東宝映画)の第一回作品でもある「音楽喜劇ほろよひ人生」(1933年、木村荘十二演出)です。 どうも、さいきん知ったので…

グミちゃんin大阪 後編

10年前に行った個展の話の続きです。前編はこちらからどうぞ。 展示の目玉、とまではいかなくてと、まァ最悪でも賑やかしくらいにはなるんじゃないかと思って始めたイラストアニメーションの制作ですが、案の定、かなり大変な作業になってしまいました。 ワ…

懐かしい、を懐かしむ3

お馴染み(そうなのか?)、2016年から「1980年代のレトロブームを振り返る」屈折したシリーズの第三弾です。 いきなり観念論的なことを書きますが、ワタシは「良い記憶」と「悪い記憶」があると思っています。 あ、もちろん「良い記憶=良い出来事の記憶」…

モダニズム映画鑑賞記・プロローグ

さて、ずっと「エノケン映画鑑賞記」というカテゴリで戦前戦中に公開されたエノケン主演映画のことを書いてきたのですが、とりあえず観賞済みの作品についてはひと通り書いてしまったので(未見作品については観れた段階で都度書きます)、少し範囲を広げま…

グミちゃんin大阪 前編

今から10年前、大阪は中之島にある朝日新聞大阪本社内のアサコムホールにて、カズミ・アカオ初の本格個展「上を向いて歩こ♪」を開催しました。 この個展、とにかく大変だったという思い出しかない。というのも「会場が広すぎた」のです。 何しろ10m四方あり…

懐かしい、を懐かしむ2

2016年、つまり今現在から「1980年代から見た1960年代」を見る、という、こうやって書けば、何だかとても複雑なことをしているように見えますが、ま、実はたいして複雑というほどでもないという。 上記を読んで「???ナンノコッチャ???」と思われる方は…

エノケン映画鑑賞記17「エノケンのびっくり人生」

うーん、これは書くかどうか、かなり迷いました。 というのも、タイトルこそ違えど事実上、この「びっくり人生」(1938年12月29日公開)が前編、翌週に公開された「エノケンのがっちり時代」(1939年1月4日公開)が後編になっているんです。 (つか「ニュー…