~これでも仕事用です~

エノケン映画鑑賞記

エノケン映画挿入曲傑作選2

「エノケン映画挿入曲傑作選1」の続きです。 ☆『エノケンの千万長者』 ・「千万長者の唄」 正篇続篇のオープニングで歌われるこの歌、原曲はもちろん「洒落男」です。 もともと二村定一の持ち歌であったにもかかわらず、何故か完全にエノケンの持ち歌扱いに…

エノケン映画挿入曲傑作選1

何度もいうように、エノケン映画の魅力はエノケン他が歌い踊るシーンですから、本当はエノケン映画を語りたければ筋立て云々よりレビュウシーンを中心に書いた方が伝わると思うのです。 そこで、さすがに全曲は大変なので抜粋ではありますが、レビュウシーン…

エノケン映画鑑賞記17「エノケンのびっくり人生」

うーん、これは書くかどうか、かなり迷いました。 というのも、タイトルこそ違えど事実上、この「びっくり人生」(1938年12月29日公開)が前編、翌週に公開された「エノケンのがっちり時代」(1939年1月4日公開)が後編になっているんです。 (つか「ニュー…

エノケン映画鑑賞記16「エノケンの爆彈兒」

今日のネタである「爆彈兒(爆弾児)」は現代劇なのですが、「青春醉虎傳」〜「頑張り戰術」のレビュー執筆後に観たので、かなり後回しになってしましました。 いやぁ、それにしても久々の現代劇です。 たしかに「青春醉虎傳」や「千万長者」のような都会派…

エノケン映画鑑賞記15「エノケンのざんぎり金太」

久々にエノケン映画のレビューを書きます。 正直この映画を時代劇とみるか現代劇とみるか、かなり迷いました。 というのも作品の舞台となったのは時代でいえば明治の前半、そう文明開化の時代です。 たしかに時代劇ではないものの、エノケン扮する金太が出没…

おかげ様で一周年

果たしてどれくらいの方に読んでいただいているかわからない当ブログ「Goodlucklight!」ですが、この度一周年を迎えることが出来ました。 ま、言ってもたかだか一年です。ハンドルネームでやってるブログとか14年近くやってるんだから、それに比べたら全然…

エノケン映画鑑賞記特別編「四つの恋の物語・第三話『恋はやさし』」

当ブログでは戦前モダニズムまでが範疇なので、今まで取り上げたエノケン映画はすべて「戦前・戦中」に作られたものに限定しています。 だからあえてエノケン・ロッパダブル主演の「新馬鹿時代」や、エノケン・笠置シズ子ダブル主演の「歌ふエノケン捕物帖」…

準エノケン映画鑑賞記3「虎の尾を踏む男達」

たぶんこれまで取り上げた映画の中でダントツに知名度があるのがこの「虎の尾を踏む男達」でしょう。唯一DVDにもBlu-rayにもなってるし、観た人も多いはずです。 というのも、何つったって監督が黒澤明です。しかも黒澤明唯一といっていい音楽喜劇的要素が強…

準エノケン映画鑑賞記2「待って居た男」「韋駄天街道」

今回は長谷川一夫主演モノ(もちろんエノケンも主演のひとり)二本を。正直出来不出来は相当な落差がありましたが。 しかし長谷川一夫ってフシギな役者だなぁ。あの独特の鼻にかかった声のせいで、カッコよくて芯は通った感じなんだけど、けして重々しくない…

準エノケン映画鑑賞記1「江戸ッ子健ちゃん」

戦前、P.C.L.→東宝で「準エノケン映画」というべき作品がいくつか作られました。 基準としては ・エノケン単独主演ではない ・劇中でエノケンが歌わない(例外あり) これに該当するのが ・「江戸ッ子健ちゃん」(1937年・岡田敬監督) ・「待って居た男」(…

エノケン映画・時代劇補足

今回時代劇モノ14本を取り上げたのですが、まだ二本ほど「抜け」があります。 ともに未見ですが、「兵六夢物語」はともかく「エノケンの金太売り出す」はフィルムが現存しているかどうかすら定かではないので、観るのはちょっと難しそうだけど。 さて、一部…

エノケン映画鑑賞記14「天晴れ一心太助」

これもタイトルに「エノケンの」とこそつかないものの、まぎれもないエノケン映画です。 この作品は今では黒澤明が脚本を書いたことで有名、いや有名ってほどでもないか、とにかく今となってはそれだけが後世に繋がる部分です。 黒澤明がエノケン映画のシナ…

エノケン映画鑑賞記13「三尺左吾平」

うん。ん?何これ? この作品も冠こそついてないけど「三尺(約90センチ。劇中では三尺三寸=約1mと歌われている)」、つまり背が低いのが売りってことは当然エノケンを指すわけで、主人公がエノケンに当て書きされたことは疑いようがない。(いくらなんでも…

エノケン映画鑑賞記12「磯川兵助功名噺」

もうここまでくると全然わからないかもしれません。何しろ原作は「銭形平次捕物控」でお馴染みの野村胡堂。ですがこれも立派なエノケン映画です。 公開されたのが1942年11月。ま、いくら早くても製作された時期は同年の夏以降でしょう。まだまだ安全圏だった…

エノケン映画鑑賞記11「エノケンの誉れの土俵入」「エノケン・虎造の春風千里」

今回も二本立てで。両方ともそれなりに良く出来ているので書いてて気が楽です。 批判、罵倒ってしんどいですから。 ◇ エノケンの誉れの土俵入 中川信夫監督4本目の作品ですが、ついに中川信夫の目指すテンポの良さと、エノケンの軽快なのにノンビリしたキャ…

エノケン映画鑑賞記10「エノケンの森の石松」「エノケンの彌次喜多」

時代劇モノ、多いなぁ。続けて観てるとどれがどれかわからなくなってくる。 今回は両作品とも、当時エノケン映画のメイン監督的存在だった中川信夫が撮っています。 ◇ エノケンの森の石松 うーん、ひと言でいえば、非常にもったいない!あの放り投げたような…

エノケン映画鑑賞記9「エノケンの法界坊」

オリジナルが74分、現存するフィルムが53分ってことで、相当欠落があるのですが、そのわりにはあまり意識することなく鑑賞できました。ただしフィルムコンディションは最悪ですが。 しかし内容は何ていったらいいのかね。残念ながら元となった歌舞伎の方(「…

エノケン映画鑑賞記8「エノケンの猿飛佐助」「エノケンの鞍馬天狗」

時代劇は数が多いので、基本的に二本立てでいきます。公開順なら「猿飛佐助」と「鞍馬天狗」の間に「法界坊」が入るんだけど、分量的にちょっと入れ替えますね。 ◇ エノケンの猿飛佐助 たしかに時代劇っちゃ時代劇なんですが、子供向けというか、ま、「孫悟…

エノケン映画鑑賞記7「エノケンの江戸っ子三太」「エノケンのちゃっきり金太」

今回も二本立てで。 ◇ エノケンの江戸っ子三太 前に「エノケンはズッコケの人じゃない」と書きましたが、これは珍しく完全なズッコケ物で、江戸っ子のつまらない意地が笑いのタネになっています。 ただこれ、後で書く「ちゃっきり金太」のように盛大にカット…

エノケン映画鑑賞記6「エノケンの近藤勇」「エノケンのどんぐり頓兵衛」

久々にエノケン映画のレビュウに行きたいと思うのですが、いや、でもねぇ、今回からのは時代劇編なんですよねぇ。 当ブログはあくまで「戦前モダニズム」までが範疇なので、いくら戦前モダニズムの旗手だったエノケンの映画だとはいえ、(モダニズムの要素が…

エノケンの孫悟空はパクリ映画なのか?

前々回のエノケン映画鑑賞記5「エノケンの孫悟空」についての補足というか、なんというか。 この映画がDVD化されない理由として、著作権違反が挙げられます。 たしかに劇中に「星に願いを」や「ハイホー」がほぼ同じ旋律(但し歌詞は変えてある)で歌われま…

エノケン映画鑑賞記5「エノケンの孫悟空」

久々にエノケン映画のことを書きます。 実は「エノケンの孫悟空」という映画はありません(テレビ番組では同題のものがある)。1940年に制作された映画はタイトルクレジットも、そしてワタシが知る限りのポスターや販促関係も、どこにも「エノケンの」とはつ…

エノケン映画・現代劇補足

前回の「エノケンの頑張り戰術」でエノケン現代劇レビューはひとまず終了します。 正直エノケン映画は資料が乏しく、観ることが難しい作品は現代劇か時代劇かさえ判断しづらいのですが、ワタシが今のところ把握してる戦前の現代劇の残りは「エノケンの大陸突…

エノケン映画鑑賞記4「エノケンの頑張り戰術」

今回は、現存するエノケン映画での最高傑作といわれる「エノケンの頑張り戰術(頑張り戦術)」なのですが。 戦後は「お化け映画の巨匠」といわれることになる中川信夫ですが、戦前の東宝在籍時はずいぶんエノケン映画の監督もつとめています。 「ホラーとギ…

エノケン映画鑑賞記3「エノケンの千万長者・正續篇」

戦前は一本の映画を正編続編(前編後編)に分けて公開、というパターンが多かったようです。 エノケン映画もこの「千万長者」を皮切りに、数本の作品が正続編スタイルで公開されるようになり、これは製作本数が制限される頃まで続きました。 戦後も「新馬鹿…

エノケン映画鑑賞記2「エノケンの魔術師」

今日は「エノケンの魔術師」のことを。 エノケン著の「喜劇こそわが命」によると、前作「青春醉虎傳」のクランクアップ直後に、所属していた松竹から「吹けよ春風」という映画に単独で主演しないか、という話が来て断った、とあります。 ただしこの本は非常…

エノケン映画鑑賞記1「エノケンの青春醉虎傳」

今回からエノケン映画レビューに入ります。とりあえず現状観れる、戦前に作られたエノケン映画は一通り観たんで。 まずは現代(もちろん製作当時の)を舞台にした5本(正続編があるので4回分)から。 最初は主演第1作である「エノケンの青春醉虎傳」からで…