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~これでも仕事用です~

笠置シズ子・レコーディング曲傑作選

ずっと、ちゃんと笠置シズ子の楽曲について書かなきゃとは思っていたんです。でも当ブログで取り上げるには問題が多すぎるわけで。 以前書いた通り、笠置シズ子は戦前期から圧倒的なパフォーマンスを(大都市部の人だけとはいえ)知らしめていたのですが、戦…

ダンスありき

日本で最初のジャズソングのレコードは、二村定一が歌った「アラビアの唄/あほぞら(「私の青空」)」だったと言われています。 しかしジャズソングに限らなければ、レコードの登場は意外と早く、日本では明治時代にはすでに発売されていたのです。 正直、…

東京タワーは「何処」的?

今年の5月にイギリス人アーティストの友人が日本に遊びにきてね、空港からホテルまでクルマで送ったのですが、途中東京タワーが見えて。 「あれは何のための塔だ?」と聞かれて、とっさに答えることができなかった。「放送」の英単語が出てこなかったんです…

紀元2600年の三つの幻

「ねえ、研究所って、どんなとこなの?大きいんでしょ?」 「本館のほうは広いけど、いまぼくのいるテレビジョン研究室は木造二階建てだ。もうじき増築することになっているけどね。二階に部長室があって、ぼくのいる受像管試験室は、そのとなりのとなりだ。…

真「夏」の夜の「夢」

何か思わせぶりなタイトルですが、シェイクスピアは一切関係ありません。ついでにユーミンも。 ま、更新している曜日が曜日なので、だいたい戦前モダニズムだな、とおわかりでしょうが。 かつて「新青年」という、実に軽薄で実にモダンな雑誌がありました。…

猛然のゲンイチ

以前「絶妙のイマタケ」というエントリで、戦前から戦後にまたがって活躍した今竹七郎というグラフィックデザイナーのことを書いたことがあります。 今竹七郎のデザインは、戦前戦中期の大大阪でのデザインが如何に優れていたのかを証明する素晴らしいものな…

看板は時代の鏡

今回はこのブログの根本的な疑問にお答えしようと思います。 我々の作品「Gumi-chan1961」は1961年を舞台にしています。なのに何故ワタシが1961年から20年以上も前の戦前期に拘るのか。 答えは3つあります。ひとつは以前書かせていただいた通り、戦前モダニ…

1936年の世の中 from ロッパ日記

当ブログは戦前モダニズムのことをあーだこーだと書かせてもらっているのですが、そもそも当時の空気を伝えることなど不可能です。ましてやワタシなぞが生まれる30年以上も前なんだから、ぶっちゃけワタシ自身な〜んにも知らないわけです。 ま、そこは割り切…

服部良一という音神様

以前こちらのエントリでも触れましたが、今回は全面的に服部良一のことを書いてみたいと思います。 「服部良一は、戦前の方が面白いんですよ」 これはジャズ評論家の瀬川昌久氏から直接お聞きした言葉ですが、正に我が意を得たりで、もう、心の底から「そう…

1937年のセンテンツスプリング?

こないだ古本屋で、実に奇妙な本を見つけました。 奥付には2007年とあるから、今から9年ほど前に発行されてたってことになるけど、ぜんぜんこんな本の存在なんて知らなかった。 その本のタイトルは「昭和十二年の「週刊文春」」。 え?これの何が奇妙なんだ…

蒲田から大船へ

もうほんの一時期だけですが、大船に「鎌倉シネマワールド」というテーマパークがありました。 ワタシも一度くらい行ってみよう、と考えてたら、あっという間に閉園になった。資料によると、わずか3年余だったらしい。 後で聞くところによると、このテーマパ…

戦前のミニチュアとジオラマ

当ブログは「ミニチュア、ジオラマ」も「戦前モダニズム」も範疇にしておるのですが、では戦前にミニチュアやジオラマがあったのか、みたいな話をしたいと思います。 まずミニチュアですが、あるのは確実にあった。これは間違いありません。 ただしそれが民…

魂の塊

そんなタイトルのゲームがあった気がするけど、まったく、何の共通点もありません。 カズミ・アカオといえばワタシも深く関わっている「Gumi-chan1961」の作者ですが、グミちゃんシリーズを作る前は、かなりの数の似顔絵人形も作っていました。 最近の作品で…

1961年の大相撲(1936年も)

プロ野球のことは以前書きましたが、その昔、何年くらい前までなんだろ。とにかく日本の二大プロスポーツが「プロ野球と大相撲」なんて時代は、確実にあったわけです。 今は、プロ野球とJリーグ、といえば、ほんのちょっと「え?」となりますが、日本のプロ…

戦前ジャズソングを今の人で聴く

これまで戦前に作られたジャズソングについて書いてきましたが、正直「本当に素晴らしいから是非聴いてよね」と言いづらいのが辛いところでして。 本当かどうかは知らないのですが、以前テレビで得た知識によると、男性より女性の方がノイズ音に弱いらしいの…

非モダニズム戦前映画スタァ

ワタシは戦前の文化なら何でも興味があるのではなく、あくまでモダニズム要素が強いものにしか興味がありません。だから芸能のことを書いても、これが戦前の芸能界のすべてだと思われても困るわけで、オミットしている「人」も「作品」も山のようにあります…

エノケンは和製カンター!

「エノケンは和製チャップリン?」の続きです。 前回のエントリで、如何にエノケンとチャップリンがかけ離れた存在だったかを書きました。 たしかに「エノケンの青春醉虎傳」や「エノケンの誉れの土俵入」「エノケンの爆彈兒」といった映画の中でチャップリ…

エノケンは和製チャップリン?

こんなタイトルにしたのは、もちろんこう言いたいからでして。 エノケンは和製チャップリンではない!と。 ワタシの見立てでは、エノケンこと榎本健一とチャールズ・チャップリンはあまりにも違いすぎるというか共通点がなさすぎるので、正直断言するほどの…

戦前戦中のヘンな歌

いつの時代にも「ヘンな歌」は存在します。 例えば「およげ!たいやきくん」とか「だんご3兄弟」なんか、あきらかにヘンな歌なんですよね。しかも「ヘンな歌」だからこそメガトンヒットしたっつー。 今回は戦前戦中期の、まァヒットしたかどうかはともかく(…

何故その人気を映画に利用しないのか

エノケン映画についてはさんざっぱら書いてますが、まァ、数が多い。いくら粗製濫造時代といえど、よくここまで作ったもんだと呆れます。(もちろん褒め言葉です) ただ、戦前モダニズムを俯瞰で見ると、エノケンは、というかエノケン映画はわりと例外の存在…

戦後モダニズム3〜戦後の象徴曲〜

今回はモダニズムとはちょっと違うかもしれないけど。 さて、世の中には名曲とは別に「時代の象徴曲」というものがあります。 この場合、楽曲のクオリティとか売上枚数とかは関係ない。そりゃまったく売れてない=世間に浸透してないんじゃ困るけど、では売…

柳田貞一は巧い!

今回は何度も名前を出している柳田貞一のことを書きます。 ファン以外の人からすれば、エノケンと柳田貞一の関係は少し掴みづらいかもしれません。 わかりやすくいえば柳田貞一が師匠、エノケンが弟子となるのですが、注意すべき点は「浅草オペラのオペラ歌…

役者としてのエノケン

「エノケンの魔術師」について書いた時に、ちょっとだけエノケンの向き不向きについて書きましたが、もう少しだけ掘り下げたいと思います。 野村胡堂の原作を斎藤寅次郎監督、エノケン主演で映画化した「磯川兵助功名噺」が、のちに森一生監督、犬塚弘主演で…

カマタリ・モカ・マタリ

エントリタイトルに意味はありません。単なる駄洒落です。 さて前回の続きってわけじゃないけど、黒澤明監督作品は役者の使い方によって三期に分けることができます。 第一期が藤田進、大河内傳次郎主演時代 第二期が三船敏郎主演固定時代 第三期が主演変動…

クロサワとエノケン・ロッパ

戦前期から活躍し、今もなお名前が通じる人は数えるほどしかいません。 その中でもとびきりのビッグネームといえば黒澤明にトドメを刺すのではないでしょうか。 黒澤明とエノケンの関係は、実はかなり深い。1936年に東宝の前身のひとつであるP.C.L.に入社し…

戦後モダニズム2〜東宝の動き〜

今回は東宝の動きを追います。 戦後すぐに吹き荒れた東宝争議の影響で、とくに映画部門は骨抜きになってしまった東宝ですが、徐々にスタッフ、役者が復帰して、量産体制に入ります。 ただし元の、つまり戦前の東宝に戻ったわけではない。 戦前期のスターはエ…

和製クルーナーの始祖ディック、そして後継者

戦前戦中の音楽といえば、なんといってもジャズです。 何しろクラシック以外の洋楽っぽいものは、ハワイアンであろうがタンゴであろうが、すべてジャズとカテゴライズされていましたしね。 などとエラソーなことを書いてますが、ワタシの戦前戦中の音楽にか…

戦後モダニズム1〜りんごの唄と東京ブギウギとふたりの喜劇王〜

毎週金曜日は1960年代の話、もしくは芸能以外の戦前モダニズムについて書いているのですが、今回は補足的な意味合いも込めて、芸能における戦前モダニズムから1960年代の間のこと、とくに終戦直後の頃のことを中心に書いていきます。 正直二十一世紀に住む人…

1936年の流行語

以前「1961年の流行語」というエントリを書きました。 この時資料として使わせてもらったのが小林信彦著「現代<死語>ノート」なのですが、この本、そして「現代<死語>ノートⅡ」にも1936年はカバーされていない。さすがに古すぎるか。 そこで今回は別の本…

1961ー25=1936

なんだか、どうも、トシを取ったせいか、昔が昔に感じられなくなってきました。 たとえば2006年、というと、今から10年も前になるわけです。しかしぜんぜん10年も経ってる実感がなくてね。2006年なんて、つい2、3年前くらいに感じてしまいます。 しかしこれ…

戦前戦中の美男美女芸能人

当たり前ですが、どの時代にも美男美女はいます。時代によって多少流行り廃りはありますが、それでも今の時代に見ても素直に「かっこいい」「きれい」「かわいい」と思える戦前戦中の芸能人もいるわけで。 今回は一部ではありますが、それらの人を紹介したい…

ハイキック!イヴォンヌ!!

これまで、タアキイや笠置シズ子といった、全盛期の映像が残ってないがために、今となっては真価がよくわからない人について書いてきました。 しかし戦前期に活躍した「真価がよくわからない」人は他にもいっぱいいる。とくにダンサー関係は、もうさっぱりレ…

原節子の座り心地の悪さ

本ブログは戦前モダニズムが守備範囲なのですが、今まで触れてなかった大物もかなりいます。 たとえば今回取り上げる原節子。どうしても戦後に小津安二郎と組んだ一連の作品のイメージが強い彼女ですが、活躍度からすれば、「戦前」に限定しても実は文句なし…

陸の龍宮

今回のテーマは、戦前モダニズムといっても「芸能」の範疇に入れられるのかもしれないけど、ま、あくまで「建築物」ということにして話を進めます。 さて、戦前モダニズムを語る上で、たったひとつだけ後悔があるとするなら「陸の龍宮」という惹句(コピー)…

大大阪タイムスリップ觀光

阪神間モダニズム、とくに戦前の神戸のことは「ヨシミツ家の人々」という連作を通じて何度か書かせていただきましたが、モダニズム、にかんしては大阪だって負けちゃいない。それどころか戦中期まで大阪は東京とマジでタメを張る、日本が誇る大都市でしたか…

1936年の交通

戦前の交通網について書こうと思うのですが、これは正直苦手なジャンルでして、ワタシは鉄道のことも自動車のことも、詳しいとはいえません。 それでも戦前の人々がどのような交通手段を取っていたか、をわかっていただくことは意味があると思うので。 まず1…

世界で一番面白い教科書

以前「マイナス・ゼロ」という、滅多やたらに面白い小説を取り上げたことがあります。 今回取り上げる「エロス」も「マイナス・ゼロ」同様、広瀬正の作なのですが。 (あらためて念押ししておくけど、広瀬「隆」じゃないからね) それにしてもこの題名はどう…

世界で一番カッコよかった駅舎

予告です。 明日21日から「Goodlucklight 年末特大号」として全10回の大型連載をやります。 それでは本題。 子供の頃に当たり前にあったモノってね、それがどれだけ素晴らしいモノだったとしても、日常すぎて何とも思わないものです。 それが社会経験を経て…

ロッパの立ち位置

当ブログ「Goodlucklight」の第4回エントリ「エノケン!ロッパ!カサギ!」にて「戦前戦中期のタレントはこの3人を中心に書いていく」みたいなことを宣言しました。 エノケンは主演映画についてかなり書いたし、笠置シズ子のことも(ざっくりとした流れ…

笠置シズ子も、偲べない

笠置シズ子のことはハンドルネームでやってるブログにいっぱい書いたので、個人的には今更感があるのですが、戦前モダニズムを語るとなるとどうしても笠置シズ子の名前は外せないわけで。 東京の松竹歌劇のスタァがタアキイだとするなら、大阪の松竹歌劇のス…

トドのつまりの神保町

戦前モダニズムに興味がある人間にとって、神保町は最高の街です。 今ワタシは神奈川県在住ですが、都内にも数年住んでたことがあります。だから人並みには東京の繁華街の雰囲気は把握できているつもりです。 でも、どこかひとつ選べ、となると、やはり神保…

生ける時代の証人

もうずっと、誰か中村メイコに戦前の映画界のことだけに絞った聞き書きの本を作らないかなぁって思ってるんだけどね。なんならワタシがやることすら、やぶさかではない。 この間触れた「エノケンの孫悟空」は1940年の作品です。何しろ75年も前の作品なので、…

めくるめく可能性

リアルタイムではなく、あくまて過去の出来事として、戦前の世界を小説や映画にしようという試みは幾度も行われています。 といっても大半が戦争絡みであり、仮に戦争そのものを直接描いていなくても、戦時下における市井の人々、といった視点になってしまう…

スィート・アーちゃん

タレントとして成功するのに、妙な説得力があるって条件は入れていいんじゃないかと思っています。 説得ったって言葉で説得するんじゃない。仮にどれだけハチャメチャやっても、そのハチャメチャぶりに不安になりながらも、ま、これでいいよねって思ってしま…

平井英子と茶目子とグミちゃん

終戦を機にスパッと芸能界に縁を切った、実際はどこまで強固な意志があったのかはわからないけど、戦前はそれなりの活躍をしながら、戦後は一切芸能活動をしていない人は結構います。 となるとその後の消息も不明な場合もあって、没年すらわからない、なんて…

絶妙のイマタケ

以前、名取洋之助率いる日本工房が作り上げた「NIPPON」という、時代の10歩先を行った戦前の雑誌を取り上げたことがありました。 よくね、時代の半歩先を行くくらいがちょうどいい、それ以上だと大衆がついてこれなくなる、と言われます。 それを考えると「N…

阪神間モダニズム

本ブログの守備範囲である「戦前モダニズム」って言葉ね、Googleで検索してもらえればわかりますが、ほとんど建築物のことしかヒットしないんですよ。 たしかに建築物は戦前モダニズムを象徴するものには違いないんだけど、今までここで取り上げていた芸能関…

フロクという名のペーパークラフト

立体ミニチュアでもっとも身近なものといえばペーパークラフトではないでしょうか。 ペーパークラフトは世界中にあり、もちろん日本でも数々のペーパークラフトが売られていますが、実に良く出来たものが多い。 何しろ「紙」だから、耐久性は皆無だけど、手…

謎のタアキイの謎解き

先週の「謎のタアキイ」で、あえて一切触れなかったことがあります。それは「タアキイ 水の江瀧子伝」という本についてです。 著者は中山千夏。ワタシら世代には「じゃりン子チエ」での声優業が一番親しみ深いのですが、子役でデビューし、その後女優を廃業…

謎のタアキイ

以前、ワタシの芸能の戦前モダニズムの絞り方として『看板としてエノケン、ロッパ、笠置シズ子の三名を中心に見ていくのが一番わかりやすい』と書いたことがありますが、実はこれ、間違いなのですよ。 エノケンとロッパはいいとして、笠置シズ子は戦前期、有…