読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
~これでも仕事用です~

泥沼の戦前モダニズム

f:id:gumiyoshinobu:20150711164348j:image
 
さて、前からかなり気になっていた戦前モダニズムに本格的にハマったのは、間違いなくロンドンに行ったことがきっかけでした。
 

みなさんの中にあるロンドンがどういうイメージかはわかりませんが、とにかく街並みがカッコいいのです。しかも意外と小綺麗で。
向こうはね、建て替え制限みたいなのが無茶苦茶厳しくて、容易に古い建物を取り壊せないのです。だから建物はそのままに、内装だけ今風のストアが入ってる、みたいな感じなのです。
ワタシはロンドンに半年ほど滞在していたのですが、そういう街並みをずっと見てたからでしょう。「何で日本でも古い建築物をちゃんと保存しなかったんだ」とか思い始めて。よく考えるまでもなく戦争とか地震とかで全然無理なんだけど。
それでもそういった古い街並みが健在だった、戦前の日本、といっても当然田舎じゃなくて都市部の繁華街ですね、そういう日本のモダニズム溢れる世界に強い関心がいくようになってしまったのです。
そしてこのブログの第一回目にも書きましたが、戦前モダニズムを知れば知るほど、これは作品を作る上であまりにも重要なファクターだってことに気づいてしまった。
面白い上に仕事の役に立つんじゃ、こりゃ足を抜けれんな、となってしまって。

しかしね、ハマってみてわかったんだけど、これはハマるもんじゃないわ。仕事で役に立つってわかった上でさえ、正直後悔しています。
だって奥が深すぎるもん。ワタシは調べるとなったら徹底的にやらないと気がすまないタチなので(ネットで得られらる知識なんて表層だけだからね)、ちゃんと調べるとなったら時間は取られるわ、カネはかかるわで全然いいことがないのです。

少々のことでは追いつかないんで、できるだけ対象を絞っていきたい。大正時代のことは一切無視、浅草も無視、と行きたいんだけど、そうもいかない。エノケンもロッパも松竹歌劇も、みんな浅草がスタートだから、前史として無視するわけにもいかないのです。
それ以外にも、今に繋がるものも、やっぱり浅草スタートが多い。
例えば深見千三郎ビートたけしの師匠)が浅草の芸人ってのは知ってたけど、その姉が美ち奴という芸者歌手で、杉狂児とデュエットで戦前の大ヒット歌謡「うちの女房にゃ髭がある」を歌ってた、あの美ち奴その人、となると話が違ってくる。
それでも極力、それこそ杉狂児なんか日活だったからってことで無理矢理興味ないことにしてね、東宝と松竹のモダニズム劇だけに絞っていかなきゃ、もうホント、キリがない。
あ、モダニズム「劇」ったって実物は見れるわけがないので、残された映画や音源や写真から「面影を偲ぶ」しかないんだけど。

とはいえ残存する資料も少なく、困ったことにそれらの資料を閲覧しようと思うだけで相当カネがかかる。閲覧といっても結局は蒐集するしかなく、つまり買わなきゃいけない。
国会図書館ったって劇場のチラシやパンフレットは置いてないんだから、神保町の矢口書店に行くとか、ヤフオクをコマメにチェックするとかしてね、本当に有用と思ったら買うしかないんだけど、それがまた高いんだわ。貴重なんだから当たり前なんだけど。
音楽はまだ「ぐらもくらぶ」が頑張ってくれてるからいいんだけど、映画となると、戦前の映画とか悲しいくらいDVDになっていない。
はるか昔に「キネマ倶楽部」っていうのがあって、ここで戦前の東宝大映、日活の映画がソフト化されたんだけど、これがまた高い。一本二本ならともかく蒐集となると、もう、ワタシの財力では到底追いつかない。
そこでレンタルって方法が浮上するわけです。
ワタシの記憶では、15年くらい前まではキネマ倶楽部をはじめとする戦前映画のVHSテープは、比較的大型のTSUTAYAなんかに行けば置いてありました。
ところが今は違う。新宿のTSUTAYAが比較的あるくらいで、他は、もう全然ない。京都に廃盤VHS専門のレンタル屋があるらしいけど、神奈川県在住のワタシはそうそう行けないし。

これ、調べた分を取り返そうと思ったら、滅茶苦茶仕事に還元しなきゃダメだわ。そうしないとワリに合わん。
まあそういった意味では、戦前モダニズムに手を出したばっかりに、仕事に精を出そうと思えたんだから良かった。のかね。

広告を非表示にする