~これでも仕事用です~

グラフィックデザインのルーツ

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ワタシはGumi-chanProjectに関わるまでは、グラフィックデザインを生業にしておりました。
しかしデザインをどこかで習ったことは、ただの一度もありません。全部我流です。流れ流れた末、いつの間にかAdobeDTPソフトを使えるようになり、それをテコにしてグラフィックデザインなぞをやり始めたわけです。
しかしソフトが使えるのとデザインが出来るのはまったく違う。だから我流で勉強するしかなかったのです。

影響を受けたグラフィックデザイナーの名前を挙げろ、となれば、ディック・ブルーナ田名網敬一を挙げます。
ディック・ブルーナといえば、言わずと知れたミッフィーちゃんの作者ですが、彼が絵本を手がける前、出版社で装丁の仕事をしてた頃のデザインにはずいぶん影響を受けました。
もうひとりの田名網敬一サイケデリックデザインの大家ですが、ひとつのデザインから見る人に様々なインスピレーションを沸かせることがいかに大事かを学んだ。
言い換えれば、ディック・ブルーナからは「洗練」を、田名網敬一からは「雑然」を学んだといえるのかもしれません。

ディック・ブルーナは「ブルーナカラー」と呼ばれる7色の色のみでデザインを構成しています。この「使う色数を絞る」という発想からの影響なんでしょうが、ワタシは昔から2色刷りのデザインが大好きでした。
ここでやや専門的な話になるのですが、印刷物は基本的にCMYK(C=シアン、M=マゼンタ、Y=イエロー、K=クロ、ではなくキープレート。色としては黒で合ってるけど)という4つのインクを使って構成されます。基本的に、なのはさらに特色と呼ばれる色を加えることがあるからですが、まあ大抵の印刷物はCMYKの4色で印刷されていると考えて間違いありません。
ぜんぜん知らない方は、え?それなら4色しか出せないし、写真とかは印刷できないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。色の掛け合わせがあるので、この4色のインクで十分フルカラーが出せるのです。

実際に印刷するにあたり、紙代とかいろいろありますが、当然使うインクの数が増えれば増えるほど印刷代が高くなる。CMYKに加えて特色を使うと、さらに印刷代が跳ね上がります。
そこでコスト削減としてインクを減らす、なんてことがままあります。
たとえば3色刷りなんて手法があって黒を抜くのです。これでも一応フルカラー印刷は出来る。よーく見ると黒の箇所が濃い焦げ茶なんだけど、パッと見はフルカラーに見える。見えるんだけど、どうもシマラナイ感じになるので、ワタシはあんまり好きじゃありません。
もちろん1色、つまりモノクロが一番安いんだけど、デザインにもよりますが、さすがに寂しい場合もある。
そこで2色刷りなんて方法が取られることがある。
マゼンタとシアンとか、イエローと黒とか、インクをふたつしか使わない。当たり前ですが、表現力はフルカラーには及ばない。でもこれはやりようで非常に面白いデザインが出来るのです。
こうなるとコスト削減が目的ではなく、あえて2色しか使わないデザインで作ったりする場合もある。本当は4色刷りなのに、一見2色刷り、みたいなことも、やる人はいっぱいいます。

ワタシはあんまりデザイン関連本は読まないのですが、それでも2色刷り関連の本は読み漁りました。本当の2色刷りから、先ほど述べた擬似2色刷りまで、とにかく見まくった。そして様々な技法があることを知ったのです。
それらは大半が海外のものでしたが、我が日本で、しかもワタシが刮目する戦前モダニズムの時代に、世にも洗練された2色刷りを大々的に使った雑誌に突き当たるのです。
それが写真家の名取洋之助率いる日本工房が作った「NIPPON」という雑誌なのですが、この話はまた今度。
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