~これでも仕事用です~

イギリスと大阪の距離

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ま、これから書くことは、あくまで男性目線なのですが。

「ヨシミツ家の人々」でも詳しく書いたように、ワタシは兵庫県神戸市の出身です。
当然関西圏だから大阪や京都とテレビ局は共通しているし、言葉も、まァ今現在は関東に住んでるのでかなり標準語に近いのですが、相手が関西の人間だとベタベタの関西弁になってしまう。
大阪もね、大学は大阪の大学だったし、もちろん親近感もあります。何しろ10年は住んでたから。
だから大阪のことはそれなりに、というか「ほどよく」わかってるつもりなんですがね。

大阪といえば、有り体の大阪あるあるじゃなくて、ひとつだけ「これは他の地方と違うなぁ」ってところがあって。最近は東京でも、なんとなく、そうなりつつあるように感じるんだけど。
それは「面白い、喋りが達者なヤツがモテる」のです。
モテる要素として、学生時分だったらスポーツが出来るとか、社会人になってからだといっぱいお金を持ってるとか、まァいろいろありますが、大阪ではそれらを抑えて「面白さ」が重要視されてきました。
逆にいえば、いくら男前でも頭が良くてもスポーツ万能でもお金持ちでも、面白みのないヤツはモテないってことになります。たぶん東京ではそこまではいってないような、ね。

さてさて、ワタシの親類はケンブリッジに住んでるんですが、彼から面白い話を聞かされたことがあります。
職場の日本人男性にイギリス人のカノジョが出来た、それが奇跡と持て囃され、とんでもないビッグニュースになった、と。

説明します。
まず、日本人女性にイギリス人のカレシが出来る、これはわりと普通です。しかしこれはその逆です。
それは「そりゃイギリス人女性からしたら、よりによって(イギリス人男性に比べて)カッコよくない日本人なんか選ばないよね」ってことじゃないんですね。
じゃなくて、イギリス人女性がわざわざ、イギリス人男性ほど「面白くない」日本人を選ぶわけがない、というのです。
単純比較でイギリス人と日本人、どっちが面白いって話をしてるんじゃないですよ。ましてやどっちの国の笑いのレベルが高いかの話でもない。
ただね、母国語以外の言葉でジョークを言うってのは、これは極めて困難な行為なんですよ。
もう、多少、英語が得意でも、これだけはどうしようもない。

その親類の彼も、もうイギリスに移住して15年くらい経つ。しかも彼はかなり語学堪能で、当然イギリス人とも普通に会話できるし、イギリスのテレビ番組を見ても完璧に理解できます。
そんな彼でさえ、イギリス人同士が本気で喋りだしたら、もう全然ついていけない、というんですね。

数年前からBBCテレビ(いうまでもなくイギリスのテレビ局)で「シャーロック」というドラマが放送されてて、これは日本でも放送されて反響を呼びました。
あれを見た方ならおわかりと思うけど、相当早口でまくしたてるように会話が行なわれています。
親類の彼は、流し見では無理だけど、集中してさえいれば「シャーロック」も理解できる、と。つまり「シャーロック」よりもさらに早いテンポでイギリス人同士は喋るのです。

ワタシもイギリス人の知り合いはいます。いくら英語が苦手なワタシといえど、むろん完璧ではないけど、一応何について話してるかくらいはわかる。それはやはり相手が相当、たとえるなら渡部陽一(テレビ用)なみにゆっくり喋ってくれてるからなんです。
仮に物凄く慣れてね、イギリス人が渡部陽一(素)くらいのスピードで喋ってても理解が出来るようになったとしましょう。いや親類の彼も理解は出来てる。でも会話となると聞くだけじゃなくて、こっちも喋らないといけない。となるとどうしてもスピードについていけなくなってしまうのです。

こうなるとジョークなんか、とてもいえないわけです。
もちろん、メチャクチャ甘めに見てくれたら、本来のイギリス人の会話のテンポじゃないのかもしれないし、ジョークの種類は限られるかもしれないけど、通用しないことはない。事実ワタシだってイギリス人相手にジョークをかましたことも、ないわけではない。

それでもイギリス人に敵うわけがないのです。
大阪では「面白いヤツがモテる」と書きました。イギリスでも、まったく同じです。
面白い男性がモテるとなると、面白くなろうとする。そりゃ誰だってモテたいもん。
そんな場所に日本人が放り込まれて、モテようったって、それはいくらなんでも無理ってもんです。その国で育ち、文化も習慣も完璧に理解している本国人に太刀打ちできるわけがない。

先述の、イギリス人女性のカノジョが出来た日本人男性、実は相当英語が苦手らしい。日常会話ならいざしらず、ジョークを飛ばせるほど堪能ではないと。
そんな人にイギリス人のカノジョが出来たとなったら、そりゃビッグニュースになるし、奇跡ともいわれるわな。

どうも日本人のイギリス人のイメージって、基本寡黙で、喋る時もボソボソ喋る、みたいな感じですが(たとえばヒュー・グラント)、実際はそんなことはぜんぜんない。本当にみんなよく喋る。
ジョークだって、チャップリンからモンティパイソン、もっと最近でいえばMr.ビーンまで、国民全体にジョークや笑いを好む傾向がある。
面白いこと大好き、ジョーク大好き、しかも喋るのが大好き、そんなお国柄です。

これは非常に大阪に近しいと言わざるを得ない。
だからね、これだけは言いたい。日本人の、特に男性ですが、大阪が肌に合わないと感じてる人は、もしかしたらイギリスは苦手な国かもしれないよと。
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