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~これでも仕事用です~

1961年の漫画

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今回は1961年当時に連載されていた漫画について。
でもワタシの調査もそこまで進んでいないので縛りを入れます。

1950年代半ばまで漫画雑誌といえば月刊が普通でした。というか週刊漫画雑誌なんてなかった。
だいたい週刊誌という概念自体あまりなく、明治時代の新聞に毛が生えた週刊誌を除けば、大正期に創刊された「週刊朝日」と「サンデー毎日」が例外で、1950年代に入ってようやく「週刊サンケイ(現在の「SPA!」)」、「週刊ダイヤモンド」、「週刊新潮」が創刊されます。
特に1958年、59年は週刊誌の創刊ラッシュで、「週刊文春」や「週刊現代」、さらには女性誌の「女性自身」が創刊されるのです。

1959年、週刊誌創刊ブームに乗るように、ふたつの週刊漫画雑誌が創刊されます。
週刊少年サンデー」と「週刊少年マガジン」です。
1961年の時点ではこの二誌しかなく、翌年に「週刊少女フレンド」が創刊されますが、今もある「週刊少年ジャンプ」は1968年、「週刊少年チャンピオン」は1969年とかなり遅れて創刊されています。
今回のエントリは1961年時点で存在した週刊漫画雑誌、つまり少年サンデーと少年マガジン、それもカズミ・アカオが生まれた1961年1月に連載されていたものに限定させてもらいます。

☆ 少年サンデー
・「スポーツマン金太郎」(寺田ヒロオ
・「海の王子」(藤子不二雄
・「快球Xあらわる!!」(益子かつみ
・「ぼくはジョンべえ」(つのだじろう
・「キャプテンKen」(手塚治虫

主だったのはこれくらいでしょうか。
今となっては少し弱いラインナップに思えます。まだ「おそ松くん」(赤塚不二夫・1962年連載開始)も「オバケのQ太郎」(藤子不二雄・1964年連載開始)も始まってないから、まァしょうがない。

少しだけ作品の説明をします。
残念ながら「ぼくはジョンべえ」と「キャプテンKen」はまったく読んだことがない。手塚治虫作品はひと通り目を通したつもりだったんですが「キャプテンKen」はすっぽり記憶から抜け落ちています。
「快球Xあらわる!!」も、たぶん二、三話しか読んだことないけど、快球Xというボール型の宇宙人の特殊能力を楽しむという、藤子不二雄お得意のパターンのプロトタイプと言われている作品です。

その藤子不二雄の「海の王子」は善玉側を藤子F、悪玉側を藤子Aという描き分けをした海洋アクション漫画です。これはほぼ全部読んだはず。

「スポーツマン金太郎」も、たぶんほぼ読んだことがない。これも二、三話程度かな。
でも元ネタとなった作品は読んだことがあります。
その作品とは五味康祐著「スポーツマン一刀斎」。
剣豪小説とスポーツ小説と、さらにSF的要素まで加味した抱腹絶倒の娯楽小説で、野球がお好きな方には是非読んでいただきたい快作です。

寺田ヒロオはこれを少年向けに翻訳(剣豪の世界をおとぎ話に変更)し、健全きわまる野球漫画に仕立てあげたのがこの「スポーツマン金太郎」というわけです。
あと書くまでもないけど、「スポーツマン金太郎」を元ネタにしたのが「サラリーマン金太郎」ですよね。(ま、タイトルだけですが)

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↑ これを見てもらうだけでも作品の雰囲気がわかってもらえると思います。この「スポーツマン金太郎」に限らず、当時の少年漫画誌にはこのような牧歌的な漫画がずいぶん載ってました。


少年マガジン
・「ちかいの魔球」(ちばてつや福本和也
・「少年ロケット隊長」(大野豊・豊玉三郎
・「勇気くん」(石森章太郎福島正実

何か少ないなぁ。ワタシの調査不足もあるけど、そもそも連載漫画自体が少ないのです。どうも当時のマガジンは漫画と読み物の割合を半々くらいにしたかったみたいね。

目につくのは、もうこの頃からマガジン特有の「漫画家とは別に原作者を立てる」という方式をやっているところで、福本和也はこの後も「黒い秘密兵器」や「宇宙少年ソラン」(←いろんな意味で手塚フリークにはお馴染み)で原作を手がけています。
「勇気くん」の原作者の福島正実とは、のちに「SFマガジン」の編集長を歴任した、あの福島正実です。こんな仕事もやってたのね。

この中で読んだことがあるのは「ちかいの魔球」くらいですか。
「ちかいの魔球」は「プロ野球(巨人)を舞台にし、魔球を投げる左投げ投手の生涯を描く」という「巨人の星」のプロトタイプと言われる作品です。
ただ、どの作品にも共通して見られるちばてつや独特のユーモアがかなり抑え気味になっていて、爽やかっちゃ爽やかなんだけど、どうも暗い作品、という印象が強い。
ま、本格野球漫画の黎明期なので、いろいろ試行錯誤があったんでしょうね。

今回はここまで。そのうち「月刊漫画雑誌編」や「少女漫画編」、あと漫画だけじゃなくなるけど「学習誌編」が出来れば、と思っています。
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