~これでも仕事用です~

1961ー25=1936

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なんだか、どうも、トシを取ったせいか、昔が昔に感じられなくなってきました。
たとえば2006年、というと、今から10年も前になるわけです。しかしぜんぜん10年も経ってる実感がなくてね。2006年なんて、つい2、3年前くらいに感じてしまいます。

しかしこれはトシのせいばかりでない気がするんですよ。
今から25年前、西暦でいえば1991年。この年にブレイクした芸能人はというと「東京ラブストーリー」で主役を演じた鈴木保奈美織田裕二、朝ドラ「君の名は」の鈴木京香、といったあたりでしょうか。
他には「101回目のプロポーズ」なんてドラマも、あった。

バラエティはというと、すでにお笑いビッグ3(タモリビートたけし明石家さんま)は確固たる地位を築いており、とんねるずも「みなさんのおかげです」「ねるとん紅鯨団」に続いてこの年「生でダラダラいかせて!!」をスタートさせている。
そしてダウンタウンは今も続く「ガキの使いやあらへんで!!」がこの年スタート、といった具合です。

何故こんなことを書き連ねたかというと、見てもらえればわかる通り、今と1991年でそこまで芸能界の分布図は変わってないのですよ。
もちろん新しい人もいっぱい出てきましたが、少なくとも「25年前に活躍していた芸能人なんか誰も残っていない」なんてことはないわけです。

ワタシたちの作品「Gumi-chan1961」は1961年が舞台ですが、1961から「2016ー1991」同様25を引いたら、ちょうど本ブログのもうひとつカテゴリである戦前モダニズムの中心であった1936年になる。
ま、もちろんそうなるように、わざと25年前に設定しただけだけどさ。

では1936年当時活躍していた芸能人は1961年にも活躍できていたかというと、これがもう、見事なくらい誰も残っていない。いや残ってないは言い過ぎにしても、かつての大スタァの大半が「かろうじて脇役」としてか、もしくは「あの」「懐かしの」みたいなカテゴリに入ってしまっている。

何が言いたいのかというと、2016年の人が持つ25年前のイメージと、1961年の人が持つ25年前のイメージはまったく違うんじゃないのかと。
わかりやすくいえば
2016年から25年前→わりと最近
1961年から25年前→はるか昔
に感じたのは間違いないと思うわけで。ま、当然のことながら間に戦争を挟んでいるってのは大きいのですがね。

「Gumi-chan1961」の生みの親であるカズミ・アカオは1961年1月16日に生を受けました。
そしてこの日、何の偶然か、戦前モダニズムの雄であった古川ロッパが逝去している。
わずか25年ですよ。1936年の時点では「新進気鋭」の存在だった古川ロッパは1961年には、まさに「矢尽き刀折れ」といった形容しかできないほど、壮絶な人生を駆け抜けたわけです。

こう書くと、それは人によると思われるかもしれません。
1991年の時点で元気で大活躍していた若手芸能人でも、病気になったり、犯罪に手を染めたり、なんて人が、いないとは言わない。
しかし古川ロッパといえば戦前の時点での格はタモリクラス、いや新進気鋭ということを考慮すればダウンタウンといった方が適切かもしれません。
そんな人が単に亡くなっただけの話じゃない。もう何年も世間から忘れられた存在だったのです。その証拠に当時の訃報記事も極めて小さい。

たぶん「Gumi-chan1961」の主人公である、当時6歳という設定のグミちゃんは、古川ロッパを知らなかったと思います。どころかトシオ兄ちゃん(11歳)も、知らなかったんじゃないか。
しかし今の6歳とか11歳の子供がタモリダウンタウンを知らない、なんて、ちょっと考えられない。
それは当時はまだメディアの発達が中途だったから、それに比べて今は、といった問題ではないと思うのです。

思い過ごしかもしれませんが、どうにも、時代が動かなくなってるような気がします。正直ワタシも「時代が動く」のが良いことなのか悪いことなのか、わかりません。
しかし間違いなくいえるのは、後の時代から「動いていた時代」を俯瞰でみると、やっぱり面白い。
1961年の世界に住む「Gumi-chan1961」の登場人物はそんな面白い時代の人たちです。
それだけでも作品を作る甲斐があると思っているのですがね。
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