読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
~これでも仕事用です~

非モダニズム戦前映画スタァ

戦前モダニズム

f:id:gumiyoshinobu:20160720111012j:plain

 

ワタシは戦前の文化なら何でも興味があるのではなく、あくまでモダニズム要素が強いものにしか興味がありません。
だから芸能のことを書いても、これが戦前の芸能界のすべてだと思われても困るわけで、オミットしている「人」も「作品」も山のようにあります。
ただオミットしているものが具体的にどういうものなのか、提示しておくのは悪くないかなと。

でも非常に困ったことがあって、正直興味が薄いので正確な時期まではわからないのですが、少なくとも戦前戦中の時点では歌舞伎の勢力が今よりはるかに強いのです。
歌舞伎だけじゃなくて新劇も今よりずっと勢いがあった。この頃までは新劇は文字通り「新しい」ものでしたし。
ワタシの知識では到底歌舞伎や新劇を「ざっくり」書き記すなんて出来るわけがない。ざっくりっていうのは要点であって、知らないことの要点を抽出なんて不可能です。

そこで、まァ、今でもカタチとして残されている映画から「非モダニズム」を抽出しようかと。ま、一部の大スタァだけですが。

 

f:id:gumiyoshinobu:20160720105836j:plain

嵐寛寿郎
ラカンといえば鞍馬天狗鞍馬天狗といえばアラカンフィルモグラフィーを見てもやはり鞍馬天狗物が突出しています。
鞍馬天狗は「エノケン鞍馬天狗」の時も書きましたが、まァ子供向けなのですよ本来は。しかも徹底した完全なる娯楽映画。ま、一番馬鹿にされるような作品だと言い切っていいと思うのですが、鞍馬天狗に殉じ、最後の最後まで観客を集め続け、最後尊敬の域まで達したアラカンは本当に凄い。
子供向けの娯楽作品に殉じたという意味で、今でいえば仮面ライダーに役者人生を捧げた藤岡弘、にあたるのかもしれません。

 

f:id:gumiyoshinobu:20160720105902j:plain

阪東妻三郎
バンツマこと阪東妻三郎ですが、この人も当時よくあった歌舞伎からの転向組です。
歌舞伎から来たわりには型を大事にするというよりはリアリティ重視の演技で、名作「無法松の一生」などでも迫力のある演技を見せてくれます。
田村正和をはじめとする田村三兄弟の父君でもあらせられます。

 

f:id:gumiyoshinobu:20160720105922j:plain

市川右太衛門
今でも「右太衛門並みに顔の大きな」という形容が通用するほど(そうかね?)、顔の大きさが特徴的な人ですが、時代劇を演じる上では顔の大きさは押しの強さに繋がり、けして悪いことではないのです。
阪妻が田村三兄弟の父君なら、右太衛門は、まァ、ソフトバンクのお父さんのお父さんってことになるんでしょうか。

 

f:id:gumiyoshinobu:20160720105938j:plain

高田浩吉
エノケンのちゃっきり金太」の中でも歌われた「大江戸出世小唄」が最初のヒット曲ですが、それ以前にも多数の映画に出演しており、戦後も1960年代まで映画とレコード歌手両面でスタァとして君臨したので、戦前、と括るとちょっとヘンな感じがしますがね。

しかも長い活動期間、ずっと二枚目で通したのが凄い。普通はワキにまわったり、老けをやったりするもんだけど、何より凄いのは二枚目然とした見た目をキープできたことでしょうね。

 

f:id:gumiyoshinobu:20160720105956j:plain

片岡千恵蔵
この人も歌舞伎からの転向組です。それにしても男前だなぁ。以前書いた「戦前戦中の美男美女芸能人」のメンツからはあえて外したけど、本当に男前。こりゃ人気も出るわ。

フィルモグラフィーを見ると途中までは時代劇に殉ずるような感じなのですが、突然、といった感じで、戦後になって現代劇の「多羅尾伴内」シリーズに主演しています。
これはGHQの施策で時代劇から撮れなくなったための苦肉の策で、しかしチャンバラのフォーマットをまんま現代劇に置き換えた「多羅尾伴内」は大ヒットします。

白塗りしか似合わないと思いきや、元が男前なので意外と現代劇でもハマっている。というか実にカッコいい。
ワタシはこの手の映画はあんまり好きではないけど、このシリーズの片岡千恵蔵はカッコいいと思いますもんね。

 

f:id:gumiyoshinobu:20160720110017j:plain

大河内傳次郎
以前「虎の尾を踏む男達」の時にちょろっと触れましたが、よくよく調べると、この映画に出演したのが47歳の時。つまりワタシと同じ年齢の頃なのです。
いやいや、ワタシは押し出しがなさすぎるのは自覚してるけど、こんなに迫力があって、おさまってる同年代男性なんかリアルで見たことないよ。

大河内傳次郎もだし、さらに下の世代の佐分利信もだけど、いったいどんな人生を送ったら、こんな苦み走った、それでいてドッシリした感じの風貌になるんだろ。
ホント、冗談でもなんでもなく、この人の爪の垢でも煎じて飲みたいわ。

広告を非表示にする