~これでも仕事用です~

グミちゃんin大阪 後編

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10年前に行った個展の話の続きです。前編はこちらからどうぞ。

展示の目玉、とまではいかなくてと、まァ最悪でも賑やかしくらいにはなるんじゃないかと思って始めたイラストアニメーションの制作ですが、案の定、かなり大変な作業になってしまいました。

ワタシが考えたのは「Flashアニメーションの要領で作る」というやり方でしたが、何となく、絵を動かすことは出来るんじゃないかと踏んでいました。
といっても、もしかしたら「Flashアニメーション」という言葉の補足が必要かもしれません。

もう完全に廃れてしまった感じになりましたが、個展を行った2006年当時は「Flashという技術を使ってWEBサイトを華やかにする」技法が、盛んというよりは、あまりにもベーシックなやり方でした。
Flash自体は様々な機能が搭載されていましたが、主だって使われたのはアニメーション表現でしょう。
ま、WEBサイトに使われるのですから、そう凝ったことはしない。せいぜいキャラクターがぴょこぴょこ動く程度です。

しかしそれなりのアニメーションも、作ろうと思えば作れました。
特に2000年頃には、Flashのアニメーション表現を使った、ショートコントのようなユーモラスなアニメが多数作られました。
大半はパロディでしたが、本当に素人が作ったのか、と思えるようなレベルの高い作品も多く、ワタシも大笑いしたクチです。

この頃から、アニメーション制作に特化したFlash制作ソフトが登場し始めます。インタラクティブなことは出来ないけど、観賞用のアニメーションなら専門的な知識がなくても作れるようになったのです。
そうしたソフトをワタシも持っていて、ごく初期のグミちゃんのサイトのトップページはそのソフトを使って制作していました。
といってもキャラクターが順番に出てくる、といった単純なものでしたが。

つまりはこのソフトを使えば、そしてヤル気と根気があれば、もう少しだけ本格的なアニメーションが作れる、そうしたワタシの目論見はかなり早い段階で挫折します。
いくら簡単なアニメーションとはいえ、それなりの絵が必要で、とにかくメチャクチャ絵を用意しなけれりゃいけない。
そんなことはとても不可能で、様々なゴマカシを多用することによって、極力絵の枚数を減らしました。

さあ、これで完成、とはいきません。アニメーションというからには音が必要です。
BGMはフリーの音源を利用するとして、問題はナレーションです。
最初はワタシ自身が、次にカズミ・アカオがやってみたのですが、どうもしっくりこない。下手なのはしょうがないとしても、何だかわざとらしい。

何となく理想として考えていた作品があります。
今から20年以上前、NHK教育ディック・ブルーナのアニメーションが放送されていました。
これはのちに人形アニメとして放送されたものとは別で、ブルーナの絵をそのまま動かしたようなイラストアニメーションだったんです。
これのナレーションが子供、というか女の子が担当していて、とても雰囲気が良かった。
あれが、やりたい、と。

しかし本物の小学校低学年、つまりグミちゃんくらいの年齢の女の子にやってもらおうにも、そんなツテがない。
どうしよう、と思っていたところで、ふと思い出したのです。
あ、モエちゃん!と。

モエちゃんとは、前回の「実物大のグミちゃんの洋服のモデルになってもらった、カズミ・アカオの親戚の女の子」です。
年齢も6歳。しかも声がとても可愛らしい。あの子に頼めないか、と。
ま、いろいろありましたが、最終的に快く引き受けてもらい、いよいよ録音、となったのです。

しかし、そうはいっても、まったくの素人の女の子です。なかなか台本通りに喋れない。
うーん、困った・・・。
ワタシは考え方を変えました。
どれだけ間違ってもいい。とにかく全セリフが収録さえできれば、後で編集して、上手くいったところだけを繋ごう、と。
この方式で何とか録音を終えることが出来ました。
ま、後の編集は大変でしたが。

そして完成したのが、これです。是非ご覧ください。



今見ると、もうどうしようもないくらい稚拙なアニメーションでお恥ずかしい限りですが、唯一、良いのがナレーションです。
とにかくモエちゃんが頑張ってくれたおかげで、何とか形にすることが出来ました。
今聴いてもモエちゃんのナレーションは、本当にいい。もし機会があれば次も絶対にモエちゃんに頼みたいくらいです。
でもこの録音は10年前。当然モエちゃんはすでに声変わりしており、もう無理なのですが。

数年前にカズミ・アカオがモエちゃんに会った時にこのアニメーションの話をしたら、ほとんど覚えてなかったらしいです。
そりゃそうだよ、まだ6歳だもん。覚えてるわけがない。
でもね、モエちゃん。おじさんはよーく覚えるよ。モエちゃんが本当に必死で頑張ってくれて、そして今でも胸を張って「ね?アニメーションとしてはダメだけど、ナレーションはいいでしょ?」っていえるもんになったのはモエちゃんのおかげだから。

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