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~これでも仕事用です~

星、ふたつ、でっすっ!

ジオラマ・人形・デザイン Gumi-chan1961関連

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何かもうちょっとマシなエントリタイトルはなかったのかって感じですが。

以前、2006年を境にグミちゃんのデザインを大幅に変更をした、というようなことを書きました。
デザインが変わるということは人形の作り方も変わったわけで、粘土も変わったし、表面処理も変えた。
そして塗装も大きく変更しました。

それまでは画材用のアクリル絵具で塗装していたのを、プラモデル用塗料に変更し、さらにエアブラシによる塗装も始めました。
プラモデル用塗料への変更はワタシのアイデアでした。アイデアなんて大袈裟なことじゃないんだけど、カズミ・アカオの目指す「ファンコ社製のボブルヘッド人形の質感」を得るにはプラモデル用塗料が最適だと思ったのです。

ワタシが中学の頃、ガンプラブームが巻き起こりました。
ガンダムのプラモデルを手に入れるために、早朝から模型店やデパートに並んだ、ワタシと同世代の人もおられるんじゃないでしょうか。もちろんワタシもそのひとりです。
この頃の話はそのうち詳しく書きますが、とにかくガンプラを作った経験からプラモデル用塗料の特性みたいなものは把握していたのです。

当時から愛用し、今も人形の塗装に使っているのがタミヤの塗料です。
どうも、グミちゃんのあの質感はタミヤの塗料でないと出ない。GSIクレオス製も試したことはあるんだけど、何か違うんです。
余談ですが、今はガンプラの塗装はクレオスの塗料を使うのが主流みたいですね。(←さかつうギャラリーさんの受け売りです)

塗料だけじゃない。筆もやっぱりタミヤの筆を使っています。
これもカズミ・アカオに言わせると、散々いろんな筆を、それこそ絵画用のやつからプラモデル用でも他社製のものも含めて試したんだけど、タミヤ製の筆はもうぜんぜん質が違うらしい。タミヤの塗料だからタミヤの筆、というわけでもなく、何に使うにしても、とにかく良く出来てると。

その結果、まったくプラモデルを作らないにもかかわらず、タミヤへのリスペクトはかなり強いのです。
タミヤ製なら大丈夫、絶対安心して使える。
だから、あのお馴染みの星のマークは「絶対安心品質保証マーク」に思えるわけで。
カメラマンが「突然のトラブルが起こる可能性が低い」という理由で高価なカメラを使うように、ワタシたちも(別にタミヤ製品は高くはないけど)信頼という意味でもタミヤ製品を使うのです。

さて、以前「模型に捧げる」というエントリを書いたことがあります。
模型界に多大な貢献をしてきた井田博の著書を取り上げたのですが、この本の巻末に井田博と当時の社長で現会長の田宮俊作との対談が掲載されています。
今回紹介するのは、最後まで「ファン目線」で模型界を支えた井田博とは反対の、「メーカー目線」で模型界の発展を支えた田宮俊作の著書「田宮模型の仕事」です。

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この本は、静岡の超弱小模型会社が世界的大企業にのし上がるまでを描いており、一種のビルドゥングスロマン・ノンフィクションとしても読めるのですが、もうこれが滅多矢鱈に面白い。
大丈夫。プラモデルにたいして興味がない人でも十分面白いです。何よりワタシが、今現在プラモデルにはさほど思い入れはないにもかかわらず面白かったんだから。

何だか、読んでて、とにかく胸が熱くなる。
まだ田宮模型がまったく軌道に乗らず、もし次作のプラモデルがコケたら会社の存亡に関わるような頃の話です。
田宮俊作は起死回生を賭けて、当時の人気画家で超多忙な小松崎茂絵物語作家としても有名)にボックスアートを描いてもらおうと手紙を書くのですが、その時の小松崎茂の返事がアツい。アツすぎる。

『私があなたの会社を救ってあげましょう!』

くぅ〜!!こんな言葉、なかなか言えませんよ。カッコ良すぎるじゃありませんか。

他にも田宮俊作自ら、アメリカやイギリスの実物の戦車が展示してある博物館に行って、写真を撮りまくる話も、共感できすぎて困ってしまいます。
といってもワタシは別に戦車には興味はないんだけど、マニアが本当に目的のものに出会えた瞬間の興奮、仕事には違いないんだけど、趣味も仕事も超越して熱中しまくる感覚は痛すぎるほどわかります。

この本には、模型に限らずジオラマや人形も包括するような貴重な示唆もいっぱい書かれています。
マニアが増える喜び、反面ビギナーを遠ざけているんじゃないかという恐怖、いったいどこに向いて「モノ」を作るべきなのか、こだわりが時には逆に作用することも具体的に書かれており、本当に勉強になります。

良いモノを提供していく、それはモノを作る側としては当たり前なのかもしれません。しかしそもそも良いモノとは何なのか、何を見て進めばよいのか、そこまで示唆してくれる本はなかなかない。
そしてプラモデルだけではなく、塗料や工具類に至るまで、今もタミヤの姿勢は貫かれているわけで、こうやって信頼を得ていくんだな、と思える。

最後に話は逸れますが、ロンドンでも、あの星のマークを見ることが出来るのですが、それだけで「ああ、この店はわかってる」と信頼することができる。
信頼って連鎖するんですよ。だからワタシたちもタミヤの塗料や工具類を使うんです。

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