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~これでも仕事用です~

エノケン映画挿入曲傑作選2

エノケン映画鑑賞記

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「エノケン映画挿入曲傑作選1」の続きです。

エノケンの千万長者』

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「千万長者の唄」
正篇続篇のオープニングで歌われるこの歌、原曲はもちろん「洒落男」です。
もともと二村定一の持ち歌であったにもかかわらず、何故か完全にエノケンの持ち歌扱いになっている当曲ですが、実は戦前の時点でエノケンは「洒落男」としてレコーディングはしていないのです。(最晩年に一応レコーディングしている)
だから戦前に歌唱した「洒落男」(歌詞は違うけど)を聴きたければ映画を観るしかない。「エノケンのびっくり人生」でも「洒落男」を歌っているけど(これも歌詞違い)、有名なのはこの「千万長者バージョン」でしょう。

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「急行列車はよく眠れる」
栗原重一、といえばほとんどのエノケン映画で音楽を担当したエノケン一座きってのコンポーザーですが、単独で現代劇のエノケン映画の音楽を担当するのはこの映画が初です。(「青春醉虎傳」と「魔術師」は紙恭輔と共同)
そのせいか、どの曲も弾みまくっていて実に楽しいのですが、特にオープニング直後のこのインストはスウィングしまくりで素晴らしい。

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「これこそジャズだ」
原曲は「The music goes 'round and around」(トミー・ドーシーのものが一番有名かな)。
二村定一のソロですが、エノケンも「エノケンの浮かれ音楽」というタイトルでレコーディングしています。
アレンジは「浮かれ音楽」とほぼ同じなので、エノケン二村定一の歌唱の差異を楽しめます。

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「ユカレリベビー」
川畑文子他もカバーした戦前を代表する曲ですが、ここではエノケン二村コンビで歌われています。
ちなみに「ユカレリ」とは、今様にいえばウクレレのことです。何故この発音だったんだろ?


エノケンの千万長者・續篇』

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「千万長者の唄」
アレンジ他は基本正篇と同じだけど、こちらは間奏に「青空(マイ・ブルー・ヘヴン)」が使われるなどより凝っています。

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「沈む夕日よ」
原曲は「セントルイス・ブルース」。エノケンとこの映画のヒロインにして一座の看板女優である宏川光子のデュエットです。
川畑文子はこの映画とほぼ同じ歌詞で歌っていますが、笠置シズ子は「セントルイス・ブルース」のタイトルで、よりスウィング感を強調して歌っています。

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「楽器は唄ふ」
「鑑賞記」にも書いた通り、とにかく観てほしい。戦前のジャズステージの魅力がつまっています。
実は「鑑賞記」執筆後に瀬川昌久氏に直接この曲のことを尋ねてみたのですが、やはりオリジナル曲であったようで、ただ「The music goes 'round and aroundを下敷きにして作ったのではないか」という示唆を頂きました。

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「うぶな二人のように」
二村定一と高清子のデュエットですが、原曲は「I've got a Feelin' You're Foolin」。二村定一のやさぐれ感がいいんです。
歌もいいんだけど、続けて演奏されるインストがスウィング感満載で素晴らしい。

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「のんき節」
これも「鑑賞記」に書きました。子供の頃から親しんだというエノケンバイオリンを軽く弾く様が嬉しい。


エノケンの江戸っ子三太』

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「江戸っ子三太のテーマ」
昔の曲を聴いてるとたまに「これってラップ風だよね」というのがあります。ま、大抵はオッペケペー節のバリエーションなのですが、この曲はエノケンの洋楽センスというかリズム感とあいまって、マジでラップ風です。
それにしても「江戸っ子三太」から二曲もレコーディングされているのに、この曲だけレコーディングしてないんだよね。この曲が一番斬新なのにもったいない。


エノケンのちゃっきり金太』

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のぞきからくり
「ちゃっきり金太」シリーズでは巻頭、必ず歌われる「のぞきからくり」です。まずこれ、あと「ざんぎり金太」、もうひとつは・・・ゲフンゲフン!この話はまた今度。

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「あゝそれなのに」
完全に物語に溶け込んでいるので、まるで民謡のようにすら思ってしまいますが、市丸の歌唱によって大ヒット(1936年)したのは「ちゃっきり金太」公開(1937年)のわずか一年前!
もう時代を経過ぎていてわかりづらいのですが、要は「時代劇にもかかわらず、最新ヒット曲を劇中で歌った」ということになるのです。

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「宴会メドレー」
これはもっと凄く、「大江戸出世小唄」(高田浩吉)、「ふたりは若い」(ディック・ミネ、星玲子)、「うちの女房にゃ髭がある」(杉狂児美ち奴)といった最新ヒット曲から、「鹿児島おはら節」のような民謡、明治時代の流行歌「ぎっちょんちょん」が次々メドレーで歌われます。

枕を投げて受け取った人が歌う、という、おそらく昔あったお座敷遊びなのでしょうが、軽く調べたところでは詳細はわかりませんでした。

今回は以上です。

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