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~これでも仕事用です~

聖地トキワ荘 前編

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Gumi-chan1961の舞台である1961年は、昭和後期を支えていく人たちが巣立った年でもありました。
具体的にいえば、石ノ森章太郎赤塚不二夫、両藤子不二雄といった各漫画家の先生が、彼らが青春期を過ごしたトキワ荘から退居したのが、この1961年なのです。

甚だ簡単ではありますが、トキワ荘とはなんぞや、というのを説明しておきます。
今では「漫画家の梁山泊」みたいに言われますが、漫画家として最初の入居者である、宝塚から上京することになった手塚治虫が、トキワ荘に移住したのは偶然でした。
別に手塚治虫が不動産屋に飛び込んで見つけたわけではなく出版社の紹介でしたが、これ以上続けるとマニアックになりすぎるので割愛します。

しかし、のちに「漫画の神様」と言われる手塚治虫が住んだことは、新築でありながら安普請だった小さなアパートが、漫画家を目指す地方出身の若者たちの憧れの場所になる第一歩になります。

ここに、同じく出版社の紹介で入居した寺田ヒロオ、さらに手塚治虫が退居することになって同じ部屋にそのまま入ったのが両藤子不二雄でした。
この後も石ノ森章太郎赤塚不二夫つのだじろう鈴木伸一といった将来名を成す若手漫画家が続々入居することになったのです。

何故トキワ荘に若手有望漫画家が集結したのかは諸説がありますが、今では「漫画家をひとつに集めておけば、いざという時に対応しやすい」という出版社の思惑、という説が有力です。
もちろん「仲間がいっぱいいて、楽しいし、切磋琢磨もできる」という漫画家自身の希望もあったのでしょうが。

さて、ミニチュア・ジオラマ界隈でトキワ荘といえば、手塚治虫寺田ヒロオと並んで、この人の名前が出てくるのではないでしょうか。
そう、巨匠・はがいちよう大先生です。(←あんまり言い過ぎると怒られるけど)
ま、怒られようがなんであろうが、はがさんの作った、ミニチュアサイズのトキワ荘が感動的なまでに凄い、という評価は変えようがないわけでして。

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↑ マジで凄くないですか!? 精巧云々以前に、空気感の再現にここまで注力する、というかできる作家なんて、はがいちようさんくらいです。
ま、ご本人の見た感じはただの酔っ払いですが。

空気感を再現する、とひと口に言いますが、これはディテールの再現とはワケが違うのです。
ディテールの再現だけなら、山のような資料、ま、写真ですね、を用意すれば可能かもしれません。
しかし空気感はそうはいかない。調査だけではなく取材が不可欠なんです。

はがさんは水野英子先生(短期間ですが、彼女もトキワ荘の元在住者です)や関係者から丹念に取材をして、あの空気感を蘇らせているのです。主観からでしか感覚を得るのは難しい、という話なのですが、そういうことをちゃんとやっているからこそ、はがさんの作品は素晴らしいんですね。
何度も書くけど、本人は酔っ払いだけど。

さて、ワタシは藤子不二雄A・著「まんが道」の大ファンです。もう大ファンというのもおこがましいというか、人生のバイブルだとさえ思っているほどです。
まんが道」は若き日の自分たちをモデルに、つまり両藤子不二雄を主人公に、寺田ヒロオをはじめとした実在の人物が出てくる、一種のビルドゥングスロマン漫画です。

初めて「まんが道」を読んだのは、たしか小学校6年の時で(まだ「週刊少年キング」に連載中だった)、以降ワタシにとってトキワ荘はずっと聖地だったんです。
いつか、トキワ荘に行ってみたい!
そして松葉のラーメンを食べてみたい!

そもそもの話ですが、はがいちようさんのトキワ荘を初めて見た時
なんだこれは!
まんが道」の、あのトキワ荘の空気がそのまま再現されてるじゃないか!
いったい誰がこんな凄いものを作ってんだ!
みたいな感じで「思わず」メールしてみたのが、はがさんとの出会いでしたからね。

つまり、もしワタシが「まんが道」なんて作品を読んでなければ、おそらくはがさん作のトキワ荘にもそこまで興味を抱かなかったはずで、今こうやって酔っ払・・・もとい、はが大先生と懇意にさせていただいているのも「まんが道」の、ひいては藤子不二雄A先生のおかげ、といえます。

しかし、まてよ。たしかにはがさんと出会えたことは素晴らしいことだけど、何か忘れてないか?

・・・あ!!!まだ一度もトキワ荘に行ってないじゃないか!!

関東に延べ15年くらい住んでるのに、その気にさえなればいつでも行けたのに、あれだけ焦がれた聖地に行ってないとは何たる不覚!
行かなきゃ。今すぐ!

続きます。

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